「運営指導(実地指導)の通知が来たが、何から準備すればいいのかわからない」「指摘や報酬返還が不安」——介護事業所の経営者・管理者様から、こうしたご相談を数多くいただきます。
この記事では、200事業所以上の運営指導対策を支援してきた経験から、指摘されやすいポイントと、事前に確認すべきチェックリストをまとめます。
運営指導(実地指導)とは
運営指導とは、自治体(指定権者)が介護保険サービスの適正な運営を確認するために行う指導のことです。従来「実地指導」と呼ばれていたものが、2022年度から「運営指導」に名称変更されました。おおむね指定有効期間(6年)に1回以上の頻度で実施されます。
確認されるのは大きく次の3点です。
- 運営基準を守った運営ができているか(運営指導)
- 報酬請求(加算の算定要件など)が適正か(報酬請求指導)
- 高齢者虐待防止・身体拘束などの対応が適切か
指摘されやすいポイント7選
1. 個別援助計画と実際のサービス内容のズレ
計画書に記載されたサービス内容と、実際の提供記録が一致していないケースは最も多い指摘事項のひとつです。計画の見直し時期が過ぎたまま放置されている場合も要注意です。
2. 加算の算定要件を満たす記録の不備
加算は「算定要件を満たしていること」を記録で証明できなければ、報酬返還につながる可能性があります。研修の実施記録、会議録、専門職の配置記録などが、算定期間を通じて揃っているかが問われます。
3. 勤務体制・人員配置の記録と実態の不一致
勤務形態一覧表と実際のシフト・タイムカードの整合性は必ず確認されます。人員基準違反は指定取消にもつながる重大な指摘事項です。
4. 重要事項説明書・契約書の不備
料金改定が反映されていない、同意の署名が漏れている、運営規程と内容が一致していない——書類の「更新漏れ」が典型的な指摘パターンです。
5. 虐待防止・身体拘束適正化の体制未整備
虐待防止委員会の開催、指針の整備、年1回以上の研修実施は義務化されています。「委員会を開いた記録がない」「研修資料が残っていない」という状態は指摘対象です。
6. BCP(業務継続計画)の未策定・形骸化
感染症・自然災害それぞれのBCP策定と研修・訓練は義務です。ひな形を置いてあるだけで、自事業所の実態に合っていない場合も指摘されえます。
7. 苦情・事故対応の記録不足
苦情受付の記録、事故報告書、再発防止策の検討記録まで一連の流れが残っているかが確認されます。
事前チェックリスト
通知が来てから慌てないために、次の項目を定期的にセルフチェックすることをおすすめします。
- 個別援助計画は最新か。サービス提供記録と一致しているか
- 算定中の加算ごとに、要件を証明する記録が揃っているか
- 勤務形態一覧表とタイムカード・シフト表は一致しているか
- 重要事項説明書・契約書は最新の料金・運営規程と一致しているか
- 虐待防止委員会・研修の実施記録があるか
- 感染症・災害それぞれのBCPがあり、研修・訓練を実施したか
- 苦情・事故の記録と再発防止策の検討記録が残っているか
- 過去の指導での指摘事項は改善され、記録があるか
よくある質問
Q. 通知が来てから準備すれば間に合いますか?
通知から実施日までは一般的に1か月前後です。書類の整備だけなら間に合う部分もありますが、加算記録の遡及的な不備は直前では対処できません。日頃からの体制づくりが最も確実です。
Q. 指摘を受けると必ず報酬返還になりますか?
いいえ。多くは文書または口頭での改善指導にとどまります。ただし、加算要件を満たさない請求が確認された場合は自主返還を求められることがあります。
不安がある場合は、第三者のチェックを
yfcでは、書類の事前チェックから当日の職員対応練習、指導後の改善対応まで、運営指導(実地指導)対策支援を提供しています。これまで200事業所以上を支援し、報酬返還事例は0件です(2026年4月現在)。
「今の状態で大丈夫か分からない」という段階でも構いません。無料相談はこちらからお気軽にお問い合わせください。
※ 本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものです。制度の詳細は自治体・厚生労働省の最新情報をご確認ください。